2018年1月12日金曜日

早春賦

子供の頃、お正月は真冬なのに、なんで年賀状に「迎春」って書くんだろう、と思っていた。

大人になってから、気づいた。
あれは、本当だったんだなぁ、って。

最近ではね、1年が本当にはやくて。
盛夏に、いつも思うの。
あぁ、このうだるような暑さが過ぎると、あっという間に年末で、
年が明ければどんなに寒くても日差しはもう春めいて、
温かくなったと思えばあっという間に夏が来て、
あぁ、このうだるような暑さが過ぎると(笑)…
あらうんど、あらうんど。
そんな風に、1年は走ってく。
穏やかにも、激しくも、
とにかく1年は、そんな風に。

今は、ほんの小さな小さな春の気配を
おせちのお重の角っこみたいな日々の片隅片隅に探しながら、
本当の春を待ってる。
心待ちに、待ってる。

すぐだよ。本当に、すぐ。
時にあらずと、声も立てずにいれば、
迎えに立つ機を逸してしまうほどに、
きっと春は、すぐそば。

大切なときを、逃さないで。
大切なものを、ぎゅぅっと抱きしめて。

飛ぶよに過ぎる愛しい時間のなかで、
どの一刻も、
あなたの、わたしの、
待ち望んでいた「春」なのだから。