2016年2月21日日曜日

小説の効用。

逍三は表情の読み取れない顔で、しかし玄関先で日和子の顔を見るとすぐに、
「切ったの」
と、言った。~中略~
「切ったの」
同じ言葉で、日和子はこたえる。肩まであった髪を顎のあたりで切り揃えた。
「長い方がよかった?」
誘導した。
「いや。」
 困ったように答えた逍三は、すでに日和子を見てはいなかった。靴を脱ぎ、廊下と呼ぶにはあまりにも短いマンションンの廊下を、寝室に向かって歩いて行く。日和子は微笑む。このひとの、こういうところが好きだったのだ。困ってしまうところ。言葉のない世界に住んでいるみたいなところ。


江國香織 「赤い長靴」より


久々に、小説を読んでいます。

最近は読書といってもエッセイや実用書が多かったので、とても新鮮な気分。
本の醍醐味は、やっぱり”物語”だなぁ。

小説って情報ではないから、”直接役に立つもの”ではないのかもしれない。
書き続ける意味は、あるんだろうか…?との疑問は、
多くの小説家さんが一度はぶつかる壁だとも聞きます。


でも、わたしにとって”物語”は、どう生きて行けばいいのかを教えてくれる、かけがえのないもの。


例えば、上記の場面。


新しいヘアスタイルを、褒めてほしい妻。
どう反応していいかわからず、つい無愛想になってしまう夫。

この場合、ほとんどの女性は寂しく、あるいは腹立たしく思うのでは?


でも、この小説のヒロインは、夫の、こんなところが好きだという。
寂しさも含め、微笑みで受け止める。


そうか…
こんな処し方も、あるんだ。こんなふうに受け止めれば、責めるよりも、お互いうんと幸せだ。




物語の登場人物たちとともに生き、彼らの生き方から学ぶことが、ジンセイを楽に、
豊かにしてくれる。
「生身のわたし」は何通りものジンセイを生きることはとうてい無理だけれど、彼らとならば。


それがわたしにとっての、小説の効用。
どんなハウツー本にも、まさる。



今日はあたたかな日曜日。
お昼ごはんの腹ごなしがてら、本屋さんへ出掛けてみませんか?

いまの気分にジャストフィットな、お気に入りの”物語”を探しに…♪


2016年2月18日木曜日

友と机と模様がえ。

10代からの友・Yちゃんから、おおきな仕事机をもらいました。


彼女のアパートにお邪魔し、ふたりで解体、Yちゃんの車に積んでいただき、我が家へ。
そしてばらばらになった机を再びパズルのように組み立て直し…(棚などついていて、わりと複雑なつくりなのです)
ついでに模様がえまで手伝っていただいちゃって!

ふたりで無心に作業をしている時間は、まるで中学時代に戻ったかのように楽しかったな^^。


この家へ引っ越してきて以来ずっと同じだった(そう…わたしは、模様替え無精(笑))
家具のレイアウトが一変し、動線は格段に良くなり、気持ちも超リフレッシュ☆

机自体もちろん嬉しかったのですが
もっと嬉しかったのは、心から応援してくれる、Yちゃんの気持ち。


彼女のもたらしてくれた変化がわたしのヤル気に灯をつけてくれ、
今日は一日中、模様がえの続きを楽しみながら頑張りました。

おかげさまで、つい今しがた、mai e のリニューアル・ホームオフィスが完成!


友の気持ちに応えるためにも、
ますます良い仕事をせねばね(^_-)-☆。

Yちゃん、忙しい中、寒い中、本当に本当に、ありがとう…。


お互い、羽ばたこう!!

2016年2月14日日曜日

リアル春を待つ。

嵐のヴァレンタインとなった今日。
風雨吹き荒れ、気温はなんと20℃越え!

お天気の神様にいたずらをしかけられてしまったけれど(笑)
これはホントの春じゃない。明日からはまた、冬に逆戻りとの予報ですから、
気を付けましょうね。


それでも
出無精なわたしが無性に出掛けたくなったり
明るい色のお洋服が恋しくなったりするのは

やっぱり
いっぽいっぽ春に近付いてる証拠なのでしょう。


春に向かう高揚感、ウキウキ感がとても好きです。
春になったら、あれもしよう。これもしよう、って。

あぁ、はやく
冬のラストコーナーを回って

リアル春が、くるといいね!