2014年3月28日金曜日

愛しの印刷小屋。

この3月いっぱいで、7年間勤めたバイト先を、退職します。


不動産チラシの版下作り&印刷がわたしの主な仕事でしたが、じつは本業に少し近い版下作りよりも、印刷作業の方が、より好きでした。


印刷小屋ときたら夏は猛烈に暑いし冬は底冷えがするし、インクのにおいと埃でむせかえる空気はなんともいえない感じだけれど(笑)、
いつしかこの小さな小屋は、私の大切な場所...まさに”まい小部屋”に、なっていたようです。


ここで無心に単純作業をくりかえし、印刷機のまわっている横で古新聞を読んだり、エクササイズをしたり...(←さぼってるじゃん(笑)!)
この時間がどんなに大切だったか、今日、最後の印刷仕事をしながら、身に沁みて、心に沁みて...ちょい、泣きそうでした(T_T)。


会社の皆さんには、7年間、本当に本当に良くしていただきました。
こんなに居心地の良い職場に恵まれた私、なんて幸せモノだったのでしょう。
ここで私は、”社会”を教わったなぁと、心から感謝しています。


愛しの印刷後小屋を出て、これからはひとりで、完全にイラストの仕事一本。


この場所を失うことは、寂しいし、こわいです。


でも、これは卒業だものね。
がんばって、笑顔で元気に一歩を踏み出しますよ!


めっちゃくちゃ...ありがとうございました!!

2014年3月24日月曜日

日曜 ( 月曜^_^; ) 小美術館89・童話「かえる一族。」

先週から引き続き、未だ画像が挿入できません(涙)。
(fc2ブログユーザーで、同じトラブルに見舞われたことのある方いらっしゃったら、解決のお知恵プリーズ!)

1日遅れになってしまって、ゴメンナサイ。今週の小美術館はどうしよう??と迷った挙句・・・「童話」!
いつか絵本がつくれたらなぁ...って夢があるので、時々お話を書いたりしています。 その中から、今日は、かえるさんのお話を。

わたしのお話はヘンです(笑)。 そして、絵本になることをイメージしているので、文だけではかなり解りづらいかもしれませんが、ご容赦くださいね。
わぁ、まいこ、ばかばかしいなぁ!...と、笑いながら読んでいただければ、なによりです...
<(_ _)>



かえる一族。  

  僕んちの庭には、かえるが6匹いる。
みんなバラバラの場所に住んでいて、ちっともお互いに似ていないので、まさか一族だったとは思いもしなかったけど、土の上に住んでいる、茶色い”のりお”がそう言うんだから、本当なのだろう。

  のりおいわく、壁にはりついているピンクのが妻のさと子、自転車のカゴのなかの黒いのが弟のしんぺい、池にいる水色のが息子のたかお、ポストのなかの赤いのが娘のなぎ子、ゴミ箱の裏にいる灰色のが従兄弟のまさはる、だという。  
 10年前にはみんな仲が良かったけれど、最近ではすっかり会話もなくなり、いつしかバラバラのところに住んで、他人(他がえる)のようになってしまったという。のりおがさと子と最後に話したのが5年前だというから、悲しい。
「生きているとね、色々ありまさぁねぇ。しがらみとかね。人間さんだって、そうでしょうねぇ。」  
 僕には、よく意味がわからないけれど...。のりおの目尻は、すこしぬれていた。  

 僕は、お母さんに相談してみた。かえる一族のためになにかしてやりたくて、いてもたってもいられなくなったんだ。
「すばる、日本人の仲良しの秘訣はね、”同じ釜の飯を喰う”ことよ。のりおさんはかえるだけれど、のりおというからには、日本人(日本がえる)だと思うわ。家族はひとつ屋根の下に暮して、一緒においしいごはんを食べるのが、いちばんってことよ。」
 ...さすがお母さん。いいことをいう。
僕は、とってもいいことを思いついたんだ。

 次の日、僕はのりおに聞いてみた。
「ねぇ、きみたち一族の大好物ってなんだい。10年前まで、よく一緒に食べてたもの。」
「そうですなぁ...ブイヤベースと、白ワイン。食後には、フレンチエスプレッソ。」
「...きみたち、日本人かい。」
「そうです、日本がえるですが。」
「のりお、きみ、何色が好き?」
「あっしは、ほんとうは茶色なんか、好きじゃあないですよ。そうですね、緑色なんか、なんとなく落ち着いて、好きですな。」

  丸一日かけて、僕とお父さんとお母さんとももこは、準備をした。
僕は庭に、小さなお家をつくって(かえる6匹が住むには、十分な広さだ)、なかも、外壁も床も、全部緑色に塗った。お父さんはかえるサイズのダイニングセットを作ってくれて、ももこは椅子に緑色のクッションを、ひとつひとつきれいに並べた。  
 あとは、お母さんのブイヤベースが出来上がるのを待つばかり!

「のりお、ちょっときてくれよ。きみたち一族にとっておきのプレゼントがあるのさ。」
「え?」  
 のりおをグリーンハウス(僕が名付けた)に連れてゆくと、中ではもうさと子としんぺい、たかお、なぎ子、まさはるが待っていた。お父さんとももこが手分けして連れてきてくれたんだ。  

テーブルについたのりおたちかえる一族は、こうしてしみじみ見てみると、まったくしみじみと、似ていない。  みんな仏頂面をして、誰一匹しゃべろうとしないけれど、誰もかれも、なにか言いたそうな顔をしてはいる。  

  そこへ、お母さんが、あつあつのブイヤベースを運んできてくれた。もちろん、白ワインも。
「さぁさぁみなさん、召し上がれ。今、すばるがご飯をつぎますから。」
 さと子が、遠慮がちに言った。
「奥さま、本日はこのようなお招きにあずかって本当に嬉しいのですけれど、その...ブイヤベースに白いご飯は、あまり合わないと思うんです。」
「さと子さん、今日はね、これが大切なんだよ。”同じ釜の飯”がね。そうだよね、お母さん?」
 お母さんは、にこにこしていた。
「さぁ、みなさん、どうぞどうぞ、お食後には、フレンチエスプレッソもつきますからね。」  
  かえる一族は、気まずい空気のまま、それでもおいしそうにブイヤベースを食べはじめた。

  だんだんかれらに起き始めた変化に僕が気付いたのは、その頃だ。ももこはもっと前、一族がここに集まった時から気付いていたという。
 かえる一族みんなが...だんだん、似てきたんだ!茶色いのりおも、ピンクのさと子も、黒いしんぺいも、水色のたかおも、赤いなぎ子も、灰色のまさはるも、みるみるうちに...このグリーンハウスと同じ、緑色に変わってきたんだ!!
「保護色、か...。」
お父さんがそんなこと、つぶやいてたっけ。  

 全然似ていないと思っていたかえる一族は、本当はみんなそっくりだった。 フレンチエスプレッソのころには、みんなすっかり鮮やかな緑色になり、誰からともなくポツ、ポツと喋り出し、ディナーがお開きになるころには全員、うそみたいににこにこしながら、楽しそうにしていた。  

 その日から、かえる一族は僕んちの庭のグリーンハウスで仲良く暮らしている。 時々大ゲンカになって誰かが家出して、水色やらピンクやらになっていることもあるにはあるが、お家に帰ってみんな一緒においしいご飯を食べれば、またそっくりで仲良しのかえる一族に戻るんだ。  

 僕は、思うんだ。  お父さんとお母さんとももこと、これからもずっと、毎日元気で一緒にご飯をたべられるって、幸せだなぁって。
 そしていつか大人になったら、僕と、奥さんと、子供たちで。  

 かえる一族と同じくらい、僕たち家族も...よく似ているのかなぁ!


〈おしまい。〉  

2014年3月20日木曜日

この顔。

何度も何度も、クライアントさんと打ち合わせを繰り返す。
それはとても大変だけど、素晴らしく素敵な作業で
回を重ねる度、お互いにだんだんといい顔になってくる。
そして、納品の日
クライアントさんが、とっても喜んで下さると、いつも思うこと。
あぁ、この顔。この顔が観たくて...この顔のために、生きてる、って。
その時、間違いなく、わたしもきっと同じ顔してる。
最高の瞬間。
そんな瞬間を味わえる限り、 私はどんなことがあっても、
幸せです!

2014年3月16日日曜日

日曜小美術館88・大好きなイラストレーターたち。

ここのところ、画像が上手く挿入できないことが続いています。
原因がよくわからなくて???現在調査中。

来週の日小美までに復旧することを願いつつ、
今日はちょこっと趣向をかえて、わたしの大好きなアーティストたちをご紹介いたしましょうか。

愛して止まないアーティストは本当にいっぱいいるけれど、今回は特に、イラストレーターに絞ってみました。
友達と、日曜日にお散歩がてらギャラリー巡りをするような気分で、ちょこ見してみてください♪

☹ ジャン・フィリップ・デローム http://www.hacknet.tv/category/content.php?booknum=3841
  生まれて初めて画集を買った、大好きなファッションイラストレーター。
  今思うと、当時相当に貧乏だったのですが(笑)、決して安くない画集をよく買ったもんだと、
  われながらびっくり。その時の私には、それほど胸ときめく、大切なものだったのですね。

☹ 大橋歩  http://www.iog.co.jp/shop/book/punch/02.html
  いくつになっても、その時代時代を完全燃焼していらっしゃる。こうありたいものです。
  イラストもエッセイも大好きですが、特にいちばんのお気に入りは、イラスト仲間・ウメ
  ちゃんがプレセントしてくれた、1964年~1971年の「平凡パンチ」の表紙が収録されて
  いる、「平凡パンチ 大橋歩表紙集」。...刺激的です!!

☹ 坂崎千春  http://sakazakichiharu.com/
  お名前は知らずとも、このかたの作品を目にしたことが一度もない、という人は少ない
  のでは?JR東日本のSUICAのペンギンさん、千葉県のキャラクター・チーバくん、ダイ
  ハツ「ムーヴコンテ」のカクカク・シカジカ、など...街にあふれる愛らしいキャラクターたちの
 産みの親。”自分自身が可愛いと思えるものしか絶対に描かない!”というポリシーも素
 敵です。

☹ 浅妻健司
  雑誌や挿絵、装丁など、数多くの作品を手掛けていらっしゃいます。
  淡々、飄々としていながらどこかせつなく温かい...なんとも言えない作風が大好き。
  以前、個展でご本人とお会いしたことがあるのですが、作品の風情そのまんまのかた
  で、とても嬉しくなったことを覚えています。

☹ 目黒雅也 http://www.illust-works.com/illustrator/meguro-masaya/
  数ヶ月前に立ち寄ったお店で一枚数百円で売られていた手描きのポストカードのセン
  スの良さに一目惚れ!それから何度かそのお店を訪れては、一枚、また一枚と購入し
  ています。コレクションが増えてゆくのが楽しみ...^^

いつもひとくちブログに遊びに来て下さるみなさんとは、きっと感性が似通ったところがあると思います。
あっ、このかたの作品、好き!!
って共感してもらえたら...とってもとっても嬉しいです^^♡   

2014年3月13日木曜日

今日が、幸せであること。

”今日を一日、清潔に、美味しいものを食べて、適度に運動してよく眠り、家族や親しい人と楽しく過ごす、それだけを念頭に生きていれば、不安が忍び寄る心の隙なんて、本来ないはずですよ。”


横森理香さんの本のなかで出逢った言葉です。


現状に甘んじるのではありません。
現状に、満足するのです。


「足るを知る」ということ。


まだ来ぬ不安にいつもとらわれて生きているなんて、嫌。


それよりも、
今日が、幸せでることの奇跡を、いつもかみしめながら生きていたいなぁって、
シンプルだけど、切にそう思うのです。



2014年3月10日月曜日

きゃらめる

友人は秋口に人恋しくなるといっていましたが


私は春先の薄暮時などに、はたと寂しくなることがあります。




そういうとき、無性に食べたくなるのが、キャラメル。




キャンディーでは駄目で、
チョコレートでも駄目。




まったり濃厚で
ゆっくり溶けて
ほんわり香って
にっこり優しい




こどもじみた、かどのまるい、やわなキューブ。




寂しくないよ、元気だしなよと、なでなでしていてくれるよう。




スイーツになぐさめられるのは、女のひとだけでしょうか?
男のひとには、理解不能な感覚かな(笑)??





2014年3月9日日曜日

日曜小美術館87 ・モーニングコーヒー。

3月6日、啓蟄(けいちつ)の朝

ながい眠りから目覚めた、ちいさきいきものたちにも
美味しいモーニングコーヒー飲ませてあげたいなぁ

なんて

おバカなことを考えながら描いた落書きが、
案外と気に入りました。


 

それにしても。
 
おバカなことを考えながら楽しい気持ちで描いた絵は、
ナゼに仕事のときよりも
上手に描けるのでしょうね(苦笑い)。



【ひとくちメモ】
 
このときわたしが飲んで
いたコーヒーは成田市に
ある「スガCOFFE」さんの
オリジナルブレンド、
”SUGA SUGA”。

苦味が効いて、しゃきっと
お目々の覚める味です♪

スガCOFFEE
千葉県成田市橋賀台1-45-2
☎ 0476-37-5450


2014年3月7日金曜日

読書crazy ⑲・「心を整える。」

今読んでいるのは、この本。
 


「心を整える。」 長谷部誠著 幻冬舎文庫
 
 
長谷部選手のことはあまりよく知らなかったのですが(ゴメンナサイ!)、
3年ほど前にこの本が単行本として出版されたときから、なぜかとても気になっていたのです。
 
最近文庫化されたことを知って、さっそく購入してみました。
 
ビジネスマンの知人が先に読んでいて、仕事の場面で応用できるヒントや元気をもらえる言葉がちりばめられてたよ!と言っていたのですが、なるほど、その通り!
 
たとえば、
”運とは、口説くもの。”という章のなかの、一節。
 
サボっていたら、運なんて来るわけがない。
それにただがむしゃらに頑張っても運が来るとは限らない。
普段からやるべきことに取り組み、万全の準備をしていれば、運が巡ってきたときにつかむことができる。多分、運は誰にでもやってきていて、それを活かせるか、活かせないかは、それぞれの問題なのだと思う。
だから、僕は試合後に、「ツイていたね」とか「運が良かったね」とか言われるのが嫌いだ。ギリギリのところで運が味方してくれるのは、ただ運が良かったわけではなく、それにふさわしい準備を僕がしていたはずだから。
逆に、「運が悪かった」とも思わない。結果が悪かった時には、「運」を味方につける努力が足りなかったのだと思っている。
 
 
きりりとした考え方。すごく共感。
 
全体を通してどんなひとにもわかりやすく、かつセンスのよいことばで書かれていることにもとても感心しました。
 
 
サッカーファンでない方も、まずはちょこっと立ち読んでみては...^^。
 
 
 
 


2014年3月2日日曜日

日曜小美術館86・友達のひとことからのコーディネート。

昨日、学生時代の友人の結婚式でした。


実は今回、何を着て行こうか、なかなか決まらずにいたのです。

当初は5年ほど前に購入した流行り廃りのないブラックドレスにしようと考えていたのですが、久しぶりにあてがってみたところ...ありゃりゃ、なんだかしっくりこない。

流行り廃りはなくとも、私自身が劣化していたのでした(爆)。
オーソドックスなブラックドレスも、年齢によって似合う形は微妙に変化してくるのですね^_^;

そのときふっと、天の声。
数日前に会ったSちゃんの一言が、頭に浮かんだのです!

いまハマっている海外ドラマの中に出てくるファッションがとても素敵で、60年代風のクラッチバッグなんかもちっとも古めかしくなくてスタイリッシュなんだよ...と。

クラッチバッグ...そういえば、あった、あった!
たしかタンスの奥の奥、おばあちゃんの使っていた黒いサテンのやつが!




このクラッチバッグひとつの出現によっていきなりお洒落スイッチが入り、手持ちのモノを総動員して、あっという間にコーディネートが決定しました。



アパレルの仕事をしている子からずいぶん前に譲ってもらったものの、大人っぽい雰囲気でちょっと敷居が高かったためまだ一度も着られずにいたワンピース。

20年前に買って忘れていたチョーカー。

古着屋さん出身の、ベルベットのアンダーパンツ。

パンプスには今の年齢にはそぐわないラブリー過ぎるモチーフが着いていたので、思い切って...ひきちぎりました(笑)。この方が今後もよっぽど活用度が高そう。大満足♪


私のキャラがキャラだけに、このワンピースのアダルトな個性を活かしきれなかったのが無念ですが(笑)、普段とは全く違う雰囲気の自分に出逢えた事もとっても新鮮で、楽しかった^^。

すべては、友達の何気ないひとことから。

時にはこんな風に、ぴぴっとアンテナにひっかかった言葉に身を委ねてみることも、新しいお洒落のきっかけになってくれるのですね。

Sちゃん、ありがとうヽ(^o^)丿