アップ ダウン
アップ ダウン
坂道に従って、律儀に上下する水平線。
ひさしぶりの、故郷の海。
ふと、ぐぅぅっと、
湧き上がってくる、”なんらかの感情”。
うれしいのか かなしいのか
たのしいのか さみしいのか
その気持ちに、名前はつかなかった。
名前のつかないまま、あの波のように、去っていった感情。
そう、それはただ、
こころが うごいた
ということ。
日常、凝り固まっているこころが、
解放された瞬間なのだろう。
そのこころのうごきのままに
泣いてしまえたらよかったけれど、
残念ながら、できなかった(笑)。
でも
こころが うごく瞬間があるというだけで、
なんという幸福。
こころが たくさんうごく人生を、
わたしは望んでる。