2015年4月10日金曜日

象牙のお舟で...

仕事の資料を集めていて、こんな歌に出逢いました。


【歌を忘れたカナリアは後ろの山に棄てましょか
いえいえ それはかわいそう

歌を忘れたカナリアは背戸の小藪に埋けましょか
いえいえ それはなりませぬ

歌を忘れたカナリアは柳の鞭でぶちましょか
いえいえそれはかわいそう

歌を忘れたカナリアは象牙の舟に銀の櫂
月夜の海に浮かべれば 忘れた歌を思い出す】


「かなりあ」という童謡です。作詞は、西条八十。

童謡らしからぬ、前半のどきっとするような酷さのはてに、
そこはかとなくあたたかい希望が満ちてくるようなラストの2行が、
こころにじわ~っと沁み渡ってきました。


わたしの大好きな、不器用で心優しいかなりあさんたち。
自分を、うんとうんと可愛がってあげてちょうだいね

いつもひとにいっぱいいっぱいあげている優しさを
同じくらい自分にもあげてちょうだいね

とびきり素敵な象牙のお舟は、ひとのためじゃなく
自分のためでいいんだよ

わたしは、あらんかぎりの力をしぼって
お舟のお尻を押してあげる

最高に心地よく、自分を活かせる場所へ向かって
勢いよく漕ぎだせるように


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