2017年8月19日土曜日

カミヤとプリンとさみしさと。

子供のころの、お友達と遊べなかったり、親が迎えに来てくれなかったり、という寂しさとは異質の、大人の寂しさっていうのがあるんだよね。

大人になると、たくさんのひとと出逢う。
わたしはひとが大好きだから、ひとと出逢うことは、極上の幸せだ。
その気持ちに微塵の嘘もないのだけれど、
ときどきふと、
得も言われぬさみしさに囚われることがあるのだ。

ひとり誰かと出逢う度に、ひとりひとりとの濃度が、薄まってしまうのではないか、と。

実際はそんなこと、杞憂に過ぎないのだろうけれど、
旧友たちとの時間が少なくなってゆく現状に、少し、悲しくなることも事実で。
本当に大切にしたい人たちとの時間を削って、安らぎの岸辺を離れて、
頼りなくおんぼろな小舟にひとり乗り込んで、
わたしはいったいどこまで流れてゆくつもりなんだろうか、と。

ひとと出逢うことに疲れた日、カミヤへ行った。
カミヤは、浅草の、神谷バーのレストラン。

ここにはいつでもひとがいっぱい。
昼ひなかから盛大に酔っぱらってるおじちゃん。お喋りに花咲かすおばちゃん。
もくもくと美味しそうに食事をする、おにいちゃん。
そして、缶詰のミカンとパインの飾られたプリンに癒される、わたし。

ひとに疲れて、人込みさながらの店へ行くなんて、あべこべのようだけど。
ここにいるのは、みんな、知らないひと。知り合いではない、ただのひと。
わたしと、同じ。
愛しき同胞。
みんなさみしさを抱えてるけど、こんなに楽しそうに、笑って、生きてく。

それで、いいんだ。

2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

プリンに慰められるって、ちょっと異質な一人時間ですよね。
ミカンとパインに飾られたプリン、私も心当たりあります。
高校時代から行きつけのパン屋の2階。先日久しぶりに行ったら、お盆休み中でした。
また癒されに行きたいと思います。

たかはしまいこ さんのコメント...

モルペンさんへ。

カミヤのプリンは、缶詰フルーツのキッチュ感と手作りプリンの本格的な味のギャップが絶妙で、惚れてます(笑)。モルペンさん行きつけのパン屋さんのプリンにもきっと、そのお店ならではの魅力が詰まっているのでしょうね♪