先週から引き続き、未だ画像が挿入できません(涙)。
(fc2ブログユーザーで、同じトラブルに見舞われたことのある方いらっしゃったら、解決のお知恵プリーズ!)
1日遅れになってしまって、ゴメンナサイ。今週の小美術館はどうしよう??と迷った挙句・・・「童話」!
いつか絵本がつくれたらなぁ...って夢があるので、時々お話を書いたりしています。
その中から、今日は、かえるさんのお話を。
わたしのお話はヘンです(笑)。
そして、絵本になることをイメージしているので、文だけではかなり解りづらいかもしれませんが、ご容赦くださいね。
わぁ、まいこ、ばかばかしいなぁ!...と、笑いながら読んでいただければ、なによりです...
<(_ _)>
かえる一族。
僕んちの庭には、かえるが6匹いる。
みんなバラバラの場所に住んでいて、ちっともお互いに似ていないので、まさか一族だったとは思いもしなかったけど、土の上に住んでいる、茶色い”のりお”がそう言うんだから、本当なのだろう。
のりおいわく、壁にはりついているピンクのが妻のさと子、自転車のカゴのなかの黒いのが弟のしんぺい、池にいる水色のが息子のたかお、ポストのなかの赤いのが娘のなぎ子、ゴミ箱の裏にいる灰色のが従兄弟のまさはる、だという。
10年前にはみんな仲が良かったけれど、最近ではすっかり会話もなくなり、いつしかバラバラのところに住んで、他人(他がえる)のようになってしまったという。のりおがさと子と最後に話したのが5年前だというから、悲しい。
「生きているとね、色々ありまさぁねぇ。しがらみとかね。人間さんだって、そうでしょうねぇ。」
僕には、よく意味がわからないけれど...。のりおの目尻は、すこしぬれていた。
僕は、お母さんに相談してみた。かえる一族のためになにかしてやりたくて、いてもたってもいられなくなったんだ。
「すばる、日本人の仲良しの秘訣はね、”同じ釜の飯を喰う”ことよ。のりおさんはかえるだけれど、のりおというからには、日本人(日本がえる)だと思うわ。家族はひとつ屋根の下に暮して、一緒においしいごはんを食べるのが、いちばんってことよ。」
...さすがお母さん。いいことをいう。
僕は、とってもいいことを思いついたんだ。
次の日、僕はのりおに聞いてみた。
「ねぇ、きみたち一族の大好物ってなんだい。10年前まで、よく一緒に食べてたもの。」
「そうですなぁ...ブイヤベースと、白ワイン。食後には、フレンチエスプレッソ。」
「...きみたち、日本人かい。」
「そうです、日本がえるですが。」
「のりお、きみ、何色が好き?」
「あっしは、ほんとうは茶色なんか、好きじゃあないですよ。そうですね、緑色なんか、なんとなく落ち着いて、好きですな。」
丸一日かけて、僕とお父さんとお母さんとももこは、準備をした。
僕は庭に、小さなお家をつくって(かえる6匹が住むには、十分な広さだ)、なかも、外壁も床も、全部緑色に塗った。お父さんはかえるサイズのダイニングセットを作ってくれて、ももこは椅子に緑色のクッションを、ひとつひとつきれいに並べた。
あとは、お母さんのブイヤベースが出来上がるのを待つばかり!
「のりお、ちょっときてくれよ。きみたち一族にとっておきのプレゼントがあるのさ。」
「え?」
のりおをグリーンハウス(僕が名付けた)に連れてゆくと、中ではもうさと子としんぺい、たかお、なぎ子、まさはるが待っていた。お父さんとももこが手分けして連れてきてくれたんだ。
テーブルについたのりおたちかえる一族は、こうしてしみじみ見てみると、まったくしみじみと、似ていない。
みんな仏頂面をして、誰一匹しゃべろうとしないけれど、誰もかれも、なにか言いたそうな顔をしてはいる。
そこへ、お母さんが、あつあつのブイヤベースを運んできてくれた。もちろん、白ワインも。
「さぁさぁみなさん、召し上がれ。今、すばるがご飯をつぎますから。」
さと子が、遠慮がちに言った。
「奥さま、本日はこのようなお招きにあずかって本当に嬉しいのですけれど、その...ブイヤベースに白いご飯は、あまり合わないと思うんです。」
「さと子さん、今日はね、これが大切なんだよ。”同じ釜の飯”がね。そうだよね、お母さん?」
お母さんは、にこにこしていた。
「さぁ、みなさん、どうぞどうぞ、お食後には、フレンチエスプレッソもつきますからね。」
かえる一族は、気まずい空気のまま、それでもおいしそうにブイヤベースを食べはじめた。
だんだんかれらに起き始めた変化に僕が気付いたのは、その頃だ。ももこはもっと前、一族がここに集まった時から気付いていたという。
かえる一族みんなが...だんだん、似てきたんだ!茶色いのりおも、ピンクのさと子も、黒いしんぺいも、水色のたかおも、赤いなぎ子も、灰色のまさはるも、みるみるうちに...このグリーンハウスと同じ、緑色に変わってきたんだ!!
「保護色、か...。」
お父さんがそんなこと、つぶやいてたっけ。
全然似ていないと思っていたかえる一族は、本当はみんなそっくりだった。
フレンチエスプレッソのころには、みんなすっかり鮮やかな緑色になり、誰からともなくポツ、ポツと喋り出し、ディナーがお開きになるころには全員、うそみたいににこにこしながら、楽しそうにしていた。
その日から、かえる一族は僕んちの庭のグリーンハウスで仲良く暮らしている。
時々大ゲンカになって誰かが家出して、水色やらピンクやらになっていることもあるにはあるが、お家に帰ってみんな一緒においしいご飯を食べれば、またそっくりで仲良しのかえる一族に戻るんだ。
僕は、思うんだ。
お父さんとお母さんとももこと、これからもずっと、毎日元気で一緒にご飯をたべられるって、幸せだなぁって。
そしていつか大人になったら、僕と、奥さんと、子供たちで。
かえる一族と同じくらい、僕たち家族も...よく似ているのかなぁ!
〈おしまい。〉
4 件のコメント:
いい!
ゆうこお姉さまへ。
ありがとうございます!
長々としたお話を読んでくれだけでもありがたいのに(笑)、お褒めのお言葉、とても嬉しいです^^♪
お姉さまのミニ絵本も...
”いい!”
すごく素敵でときめきました!
日本画も俳画も大好きだけど、さすがデザイナーさんだなぁと。ミニ絵本的作品も今後たくさん描いて欲しいです!
かえる一族、ぜひいつか本にしましょう。ほんとに!
いろんな色を思い浮かべながら読みました。”同じ釜の飯”パワーは本当にあると信じてます。わたしたちも約1ヶ月半、同じ釜の飯を食べたね(笑)
表紙イラストとお話のセットで、月いち企画をリクエストします!(無茶振り?!)
かえるさんへ。
おおぉ~、むっちゃぶり(笑)!!
お話は、月に1話は思いつかないかも...((+_+))
約1カ月半の”同じ釜の飯(ベーグル?!笑)”が、双子シンクロのもとになったのかしら...
ふと思いついたんだけど、6色のかえるのシルエット柄のプリント生地など作ったら、面白いかもしれないね^^
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