以前、木工でオブジェを作っていらっしゃるアーティストさんが、
「僕は、”役に立たないもの”ばかり創っているんですよ。」とおっしゃいました。
なんともいえない素敵な笑顔で、そうおっしゃったのです。
その表情から、”役に立たないもの”という言葉の本当の意味が、すぐに理解できました。
彼の云った”役に立たないもの”は、きっと、目には見えない”ゆとり”、”ゆたかさ”、”いやし”、”やさしさ”...そのような、もの。
本でいえば、”行と行との間にある”、もの。
もっとひろくいえば、”人と人との間にある”もの。
”あるべき”もの。
それは、見えないだけに、時に忙しさに負けて忘れてしまいそうになるけれど、すごくすごく大切な、もの。
それがすっかりなくなったら、たぶんひとは、お金があっても、ごはんがあっても、生きてゆけないでしょう。
絵も、そのような、もの。
いつもそう心に留めて、誠実に描いてゆきたいです。
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